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お宮参りの写真(東京都北区)
「天気が雨だったらどうするんですか」とママは神社に向かう車を運転しながら僕に尋ねる。「昨日雨だったから心配で」 その心配は杞憂だった。今日は真っ青な青空だ。 ベビーシートで眠る赤ちゃんの顔に春の陽射しが降り注いでいる。 撮影は家のリビングで赤ちゃんの写真を撮るところから始ま...


七五三の写真(埼玉県越谷市)
三歳男の子の七五三。 通っている保育園が自然派で裸足にサンダルで過ごしているそう。 そのおかげか草履も嫌がることなく履いて歩く。 撮影途中から晴れて暑くなった。すっかり新緑の季節だ。


子どもと家族の写真(東京都足立区)
一歳の赤ちゃんはともかく、八歳になるお姉ちゃんに人見知りされるとは思ってもいなかった。 家族写真を撮ろうとしたら、パパの後ろに隠れようとする。 嫌だと言われて泣き出して部屋から出て行ってしまったときはどうしようかと思ったけれども、焦ってはいけない。...


入園入学の写真(東京都品川区)
小学校卒業の記念写真である。 「おかしのまちおか」で二人の少女が脇目も振らずに向かったのは、店の一番奥にある駄菓子の棚であった。 武蔵小山駅に続く商店街はアーケードになっている。 朝からしとしと雨降りだし、そこが彼女らのホームグラウンド的な場所なので、そこで写真を撮ろうとい...


入園・入学の写真(千葉市中央区)
雨が上がったばかりのタイミングは花見の人がまったくいない。 満開の桜を背景に新入学の男の子と女の子を撮る。 二人は従兄妹である。撮影の予約のときからママが「仲がいい」と書いてきた通り、手をつないで一緒に歩く。 性格は違えど、その違いをお互いに理解しあっている感じがする。...


七五三の写真(広島県尾道市)
初めての子どもの七五三というのは親も余裕がないもので、なにかとあたふたしてしまう。 着付けからして嫌がる子どももいるし、足袋も草履も履きたくないと駄々をこねる子はそこらじゅうにいる。 そういう子をなだめすかして……というのは、あまり良策ではない。...


子どもと家族の写真(東京都江東区)
牡丹雪が降っていたのは4年前だったか。 今日はたっぷりの陽射しで暖かい。女の子は五歳になった。 自分で「アナ雪」の緑のドレスを着てポーズを作る。かわいいものである。 人見知りで泣かれたこともあったのに、公園でかくれんぼして一緒に遊ぶ。無邪気に顔を近づけてくる。...


初節句の写真(滋賀県草津市)
昨年の夏に生まれた赤ちゃんは、季節巡って今年の春が初節句となる。 テーブルの上には華やかな手毬寿司と蛤のお吸い物に色鮮やかな菱餅が並んでいる。 家族の初節句のお祝いを撮るのは2回目である。 2年前のそのときは祝膳の完成度に吃驚仰天したものだったが、今回もママの頑張りにただた...


入園・入学の写真(千葉県富里市)
千葉県下の小学校は今日が卒業式。 小学校の6年間というのは長いようで終わってみれば入学したのが昨日のことのように思われる。 早咲きの桜の前で真新しいランドセル姿の写真を撮った女の子二人が今日は卒業証書の入った筒を手にして僕の後ろを歩く。...


お食い初めの写真(大阪府豊中市)
12月にお宮参りをした赤ちゃんは生後三ヶ月となり、お食い初めと初節句のお祝いが一緒にできる。 お宮参りのときはまだふやふやの新生児だったのが、だいぶ赤ちゃんらしさが増してぷくぷくとしている。 表情も豊かになって、そうなると赤ちゃんを笑わせるのが楽しくなってくる。...


入園入学の写真(千葉県富里市)
小学校の6年間というのは長いようで終わってみれば入学したのが昨日のことのように思われる。 早咲きの桜の前で真新しいランドセル姿の写真を撮った女の子二人が今日は卒業証書の入った筒を手にして僕の後ろを歩く。 彼女らの会話を聞くともなしに聞いていると、大人の女性のそれとほとんど同...


子どもと家族の写真(広島県尾道市)
春うららかな海べりは観光客がそぞろ歩いていて、賑わってるなあと少し嬉しくなる。 もっとも写真を撮るには人が少ないほうがいいのだが、閑散とした観光地は寂しいものである。 渡船の乗場の東の遊歩道には河津桜が植えられていて、薄紅色の花が満開だ。...


お宮参りの写真(広島県尾道市)
昨日の暖かさはどこへ行ってしまったのか。久しぶりに寒く感じる朝である。 昼前から尾道の神社でお宮参りの撮影があり自転車で出かける。 近いとつい油断して、出かけるのがぎりぎりになってしまうのがよくない。 行きは軽い上り坂なので一生懸命にペダルを漕いで5分前に到着したら、お客さ...


ニューボーンの写真(香川県高松市)
ことでんの電車はうららかな春の陽射しを浴びながら、高松の市街地をゆっくり走る。 撮影が終わってほっとする。 一般的なニューボーンフォトは寝ている赤ちゃんを撮るのだが、僕の撮る写真はできれば起きててくれたほうがありがたい。...


ポートレート(名古屋市守山区)
秋の陽が射す静かな公園で、彼女は一生懸命に笑おうとする。 何かを言うと、すぐその後に謙遜の言葉を続ける。 根が真面目な人なんだろう。でも、そんなことしなくっても大丈夫なのだ。 そのままで十分魅力的だしかわいらしい。 還暦を前にして記念に写真を撮りたい。そう思い立ったが吉日、...


還暦記念の写真(広島県尾道市)
フォトスタジオに元気なおじさん二人がやってきた。 還暦記念の写真は今までに何回か撮ったことはあるが、友人同士だという男二人だけの撮影は初めてである。 彼らは白シャツとデニムでコーディネートを揃えて白い壁の前に立つ。 恥ずかしがったり戸惑ったりするだろうという僕の予想はあっさ...


子どもと家族の写真(岡山県笠岡市)
立春!春の始まりの日に菜の花畑で家族写真を撮る、というなかなかに恵まれた日。 ところが、もうすぐ二歳になる末っ子の女の子はママにしがみついて離れない。ずっと抱っこをせがむ。 上のお兄ちゃん二人とは難なく遊びながら撮れるのだが、彼女の写真だけがなかなか撮れない。...


子どもと家族の写真(岡山市北区)
八ヶ月の赤ちゃんと、七歳と四歳の姉弟の家族写真を撮る。 赤ちゃんははじめ人見知りで泣かれてしまうが、そのうち慣れて遊び始める。 ハーフバースデーでも一歳でもないし、2月に家族写真を撮るのは珍しいからママに理由を聞いてみたら、スタジオであまり笑わなかったかららしい。...


ニューボーンの写真(広島市安佐北区)
広島市の北、可部の町を過ぎると、急に平地が狭くなり山の斜面が川面にダイレクトに落ちてくる。 色彩に乏しい山肌にちらちら雪が舞う。 川沿いの少し開けた小さな集落にママの実家があって、そこでニューボーンフォトを撮る。 リビングにあるエアコンとガスストーブを点けても床面には奥のキ...


お宮参りの写真(岡山県倉敷市)
三ヶ月の赤ちゃんを抱っこした若い夫婦が一つの傘でやってきた。 お宮参りに行ったお寺は出張撮影禁止になったそうで、倉敷の古い街並みで写真を撮ることにしたという。 秋には紅葉が映えるお寺だったのだが、昨今の出張撮影をめぐる状況だと致し方ないのだろう。...


七五三の写真(広島市中区)
最高気温が16℃というのは4月並みだ。 道ゆく人たちものんびり歩いているように見える。 七歳の女の子には、九歳のお姉ちゃんと十二歳のお兄ちゃんがいる。 子どもの写真を撮るのは、その年齢が上がるほど難しくなる。自然な笑顔が少なくなる。 お兄ちゃんはもう妹たちと遊んだりしない。...


「とある日」(滋賀県草津市)
冷たい雨が降り続けて止むことがない。関東では大雪警報が出たという。 久しぶりの「とある日」撮影は予定より15分遅れて始まる。僕が早起きできなくて、電車を一本乗り遅れたからだ。 家に入るなりいきなり泣かれてしまったお姉ちゃんは、しばらくすると落ち着いて朝ごはんを食べ始める。...


入園入学の写真(東京都新宿区)
桜の花びらを透かして光あふれる川沿いの公園に子どもたちの遊ぶ声が満ちる。 「ピッカピカの」という言葉がそのままぴったりするような姉弟である。 真新しい制服で通う学校に楽しみしかない。その笑顔を見ていたら、自然と笑いたくなってくる。 入学おめでとう。


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