昨年の夏に生まれた赤ちゃんは、季節巡って今年の春が初節句となる。
テーブルの上には華やかな手毬寿司と蛤のお吸い物に色鮮やかな菱餅が並んでいる。
家族の初節句のお祝いを撮るのは2回目である。
2年前のそのときは祝膳の完成度に吃驚仰天したものだったが、今回もママの頑張りにただただ感心するほかない。(忙しいのにほんまによう作る……)
女の子二人が着物を着ればどうしたって男の子よりも華やかになる。かわいさは言うべくもない。
あとはそれを最大限に引き出して楽しむだけだ。
理屈じゃない。女の子はすべからくそうなのだ。かわいいものに目がない。僕は彼女らがとても羨ましい。
もうすぐ三歳になるお姉ちゃんは、すっかり女の子になった。
写真を撮りながら成長したなあと思う。二歳児は赤ちゃんと子どもの入り混じったところがかわいいのだが、赤ちゃんを卒業しつつある。
成長して分別がつくようになるのは嬉しいのだけど、そのぶん子どもらしさが薄れるというか。
もし次回写真を撮るときがあれば、だいぶ変わっているだろうと思う。若干の寂しさ。
子どもは決して後戻りはしない。
だから大人は必死になってついてゆくしかない。
しかしそれは間違いなく人生で得難い経験になると思うのだ。睡眠不足でたいへんだけども。
撮影終わったとき、ママは真っ白な灰になってダイニングチェアに座っていた。
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