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お宮参りの写真(東京都江東区)
三ヶ月の赤ちゃんは眠そうであまり笑ってくれない。 「午前中あんなに寝たのにー!」とパパとママが悔しがっていたが、この先もずっと子どもは親の思い通りにならないものなのだ。がんばって起きててくれただけでよしとしなければ。


還暦記念の写真(尾道スタジオ)
狭いスタジオ部屋に大人が6人ぞろぞろ入ってくると、部屋がさらに狭くなる。 どうしたらよいのか所在なげに突っ立っている。うちには椅子がない。 床に座ってください。お茶でもどうぞ。 外はまだ真夏の暑さだ。エアコンの温度を21℃にしていたが、さらに2℃下げる。 ...


ニューボーンの写真(広島市西区)
結婚して子どもを産むだけでもたいへんなのに、まったくゆかりのない地で暮らすのは気苦労も絶えぬ。 ニューボーンフォトを依頼いただいたママは静岡県磐田の出身で、広島に知り合いは誰もいない。 今はスマホでビデオ通話もできるし、パパだって育休を取ってるから完全に一人きりの孤...


マタニティの写真(東京都江東区)
夫婦二人だけのマタニティフォトというのはどこかなにか落ち着かない。 それは今の二人の生活にも似ている。 赤ちゃんが生まれる前の宙ぶらりんな気持ち。 撮影に至るバッググラウンドというのは人それぞれいろいろあって、それは想像するしかないのだけれど、結婚13年目にして...


子どもと家族の写真(東京都東久留米市)
子どもは親の思いもよらない物事に興味を持つから面白い。 恐竜や鉄道はよくあるが、今までに相撲の行司、歌舞伎、神楽舞にハマった子どもたちに出会いました。 11歳になる女の子がお城にハマっているのは知っていたが、今日はお経を読む彼女を撮るとは思ってもいなかった。 ...


「青旅」秩父鉄道で川のほとりへ
今どき本を読む子どもは珍しい。 待合せで会った12歳の少女の手には『薬屋のひとりごと』という本があり、西武線の下り電車の中で一人座ってそれを読む。 一瞬、彼女は旅慣れてるのかなと思ったが、そんなことはあるまい。 自分なりの時間の過ごし方を知っているのだろう。 ...


子どもと家族の写真(神奈川県横須賀市)
遊んでいる子どもは「見ててねー!」とよく言う。 滑り台を滑るときとか、よくわからない得意技を発動するときなんかにそう言う。 そのたびごとに親は「ハイハイ見てるよー(棒)」と繰り返さねばならない。 何度も続くと面倒くさいのだが、子どもにとって唯一の絶対的な理解者は親し...


前撮りの写真(鹿児島県名瀬市)
奄美大島の上空には青空が広がる。 東シナ海にある熱帯低気圧の雲もどこかへ行ってしまった。 海は薄い水色から濃い青色へとグラデーションを作って目の前に広がっている。 砂浜に立つウェディングドレス姿の彼女が声を上げる。「サイコー!」 ...


前撮りの写真(広島県尾道市)
風のないお寺の境内に百日紅の赤紫が鮮やかに浮かぶ。 青空が広がっていい天気だ。つまり炎天下である。 真夏に白無垢姿で結婚式の前撮りをする。暑いのわかっていても、それがどういうものかはやっていないとわからぬものである。 ...


子どもと家族の写真(徳島県鳴門市)
都会に暮らす子どもたちが夏休みで田舎の家にやってきたら、なにかしら小さな冒険があったりドラマがあったりしそうだが、実際は古い家の座敷で頭を寄せ合って、ゲームの小さな画面から顔を上げようとしない。 外に遊びに行くよ。「じゃあかくれんぼするんで、見つけたら写真撮っていいです...


子どもと家族の写真(広島県福山市)
本当は六人家族なのかと家の壁に飾られた写真を見て気づいた。 三十代と思われる父親と母親の間に立つ小学生の子どもが三人。母親の腕には幼稚園年少くらいの男の子が抱かれている。 撮影を依頼いただいたママは長女であるらしい。 ...


「青旅」笠岡から北木島へ
冷房の効いた船室から彼女がすぐに出てきて、狭い甲板の硬いベンチに座ったのは意外な気がした。 船のエンジンの匂いが嫌だったのかもしれないが、甲板だって排気の熱気を帯びた風が噴き出している。 それでも船が動き出し、濁った水の上を走り出すと彼女は目を細めて海を眺める。 ...


誕生日の写真(東京都武蔵野市)
ハーフバースデーと一歳誕生日の撮影は緊張する。 写真の主役は赤ちゃんで、絶賛人見知り中!なことが多いからである。 ママがいくら「大丈夫だよ〜」と言っても通じない。 見知らぬフォトグラファーがいきなり目の前に現れて怖くならないわけがない。 ...


子どもと家族の写真(神奈川県鎌倉市)
太陽に熱せらられてサウナのような鎌倉である。 駅からおびただしい人が吐き出されて駅前の小道を埋め尽くす。 35℃を越える暑さなのに、なんでこんなに人が多いのかマジでわからん。 レンタル着物のお店で浴衣を着た家族はシンガポールから来ている。 ...


お宮参りの写真(岡山市北区)
百日紅は夏に咲くから得な花だなと思う。春だったら桜に紛れてしまうところだ。 神社の境内の片隅に百日紅の美しい赤紫色が鮮やかに浮かび上がっている。 花がないとその存在に気づかなかったから、真夏にここに来たのは初めてかもしれない。 ...


ニューボーンの写真(広島県府中市)
生まれて13日目の赤ちゃんは、意外にも1時間以上寝ないで起きていてくれたので写真がたくさん撮れる。 一般的なニューボーンフォトは赤ちゃんを寝かしつけてから撮るのだけど、起きてる顔を自由に撮るほうが僕には合っているように思う。 ママに赤ちゃんを抱っこしてもらう。...


「青旅」岳南電車で田子ノ浦へ。
待合せの前から不穏な灰色雲が広がってきていて、青旅の行先に予定していた大井川のあたりは雷雨になるらしい。 困ったなあと思って、11歳の女の子に海と山とどちらに行きたいか尋ねたら「海」と答えた。 家族はどこかへ行くにもいつも車で移動するから、彼女が今までに電車...


子どもと家族の写真(千葉県茂原市)
茶の間で長男くんと親戚家族が大学受験の話をしているのを聞きながら、ずいぶん大人になったものだと思う。 英語が彼の悩みの種であるらしい。「先行きまったく見えない」とこぼす。 親としては地元の国立に行ってほしいのが本音だが、こればかりは本人しだいであろう。がんばれと応援するしか...


お宮参りの写真(横浜市西区)
自宅で赤ちゃんの写真を撮ったあとお宮参りに出かける準備をするパパとママに、今日は暑いからたいへんですよと言ったら、「すいませんこんな暑いのに」と僕の心配をされたのだけど、たいへんなのはお二人のほうです。 目を離せない二歳のお兄ちゃんを連れて、両家の祖父母も連れて、丘の上にあ...


「青旅」御殿場線で国府津の海まで
model: Nao 梅雨明けはまだしていない。 湿り気のある空気は暑い。山間の狭い平地に広がる田んぼの中を歩く14歳の少女の首筋には汗が浮かんでいる。 彼女は友達とプリクラに行くこともないそうだ。顔を加工した写真が好きではないという。...


「青旅」呉線で春の海辺へ
model: Kina 「前はパン屋さんになりたかったんだけど……早起きしなきゃいけないから」 海風に吹かれながら11歳の少女はそう答える。現実を知ってしまったらしい。 幼ない頃にサンタクロースがいると信じていた子どもたちのファンタジーな夢は消えて、ひとつずつリアルなものに...


七五三の写真(広島県廿日市市)
昨秋に三歳男の子の七五三詣りする予定だったのが、肝心の本人が風邪を引いてしまってキャンセルになっていた。 二歳上のお姉ちゃんに可愛がられている彼は甘えん坊で、なにかあるとすぐに「抱っこ!」となるのだが、一緒に遊んでくれるので写真は撮れる。...


お宮参りとお食い初めの写真(兵庫県伊丹市)
神社の参道を歩いていたら、小雪が舞い始めるので大人たちは驚く。 寒い寒いと言い合いながら赤ちゃんは無事にお参りを済ませて家に戻ればお食い初めである。 三歳のお兄ちゃんは、昨秋に七五三を撮ったときとは別人のように人見知りがなくなって、すぐに一緒に遊べるようになっている。...


前撮りの写真(広島県福山市)
古い街並みで撮影したあとは、新郎新婦とともに福禅寺に上がって仙酔島を背景に写真を撮る。 本堂の東に開いた窓は幅三間(約6m)ほどあろうか。窓枠を額縁に見立てており、瀬戸内海の景色が一幅の絵に仕上がっている。 今日は天気もいいからなおさら映える。...
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