初めての子どもの七五三というのは親も余裕がないもので、なにかとあたふたしてしまう。
着付けからして嫌がる子どももいるし、足袋も草履も履きたくないと駄々をこねる子はそこらじゅうにいる。
そういう子をなだめすかして……というのは、あまり良策ではない。
三歳児に親の理屈は通用しない。子どもの「嫌」という感情しかない。
なので、別の楽しいことに気を向けさせているうちに着物を一気に着せて、有無を言わせず足袋を履かせてしまえばなんとかなる……ならないときもあるけど。
三歳の女の子は靴を履いてきたので、拝殿の前でさあ草履に履き替えましょうと言ったら、足袋を履いていない。
案の定嫌がって脚をバタバタさせる彼女を膝に乗せて、♪バスに乗って揺られてるGoGo!みたいに揺らしてる間に履かせてもらった。
足袋の次に草履も履いたらすぐに別の遊びに誘って、草履を履いているのを忘れさせてしまう。
遊んでいるうちに草履を履いた彼女は自然に上手く歩けるようになっている。
できるかできないかは子どもによって違うけど、今日は幸運だった。
草履は履けたが、女の子は祈祷の始まりからパパにしがみついて泣き叫ぶ。
いくら大人が「大丈夫だよ」と言っても、彼女にとっては怖いのだから仕方がない。
終わるまで大泣きだったが、これもまた良い思い出になるだろう。
上手くできたこともできなかったことも、どれもひっくるめて三歳の彼女の今であり、愛おしい。
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