七五三の写真(神奈川県小田原市)
- 三原由宇
- 2月7日
- 読了時間: 2分
更新日:3月4日

朝、神社に伺うときは季節風が強いなと感じたのだけど、七五三のお参りの間は不思議と穏やかに過ぎる。
一の鳥居の前は池に面した芝生になっていて、その片隅に咲く紅い梅の花は満開である。
五歳の男の子の羽織にはちゃんと家紋が入っている。
肩上げされたその着物が再び日の目を見るのは彼の成人式が結婚式か。
今はまだ誰もわからぬ。
ママの母上が和裁をしているというので、着付けもぜんぶ彼のおばあちゃんがしたのであろう。
御歳八十とのことだが神社の階段を難なく上がる。
くれぐれも健康には気をつけて長生きしてほしいと思う。
とはいえ五歳の彼にとっては、着物も草履も苦しいばかりで、なんでこんなもの着て知らない神社に連れてこられたのかまったくわからない。
九歳のお姉ちゃんはさすがにどう振る舞うべきかわかっているのだが、彼にそれを理解させるのはまず無理だ。
写真を撮るのでなければ彼の好きなようにさせていいのだが、それが僕の仕事である。
飽きっぽい彼に遊んでもらいながら写真を撮る。
このあたりの加減は難しい。
ともかくもお参りを済ませて記念写真を撮って撮影を終える。
家族はこのあとどこかで食事でもして家路につくのだろうか。
よく晴れた青空の下で過ごした今日という日は、記憶の片隅でいつか思い出される日を待つ。






























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