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「青旅」京阪電車で琵琶湖のほとりへ。

  • 執筆者の写真: 三原由宇
    三原由宇
  • 2022年6月14日
  • 読了時間: 2分

model: Nene

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「あ、ここ覚えてる」15歳の少女は、踏切を渡るときにそう言った。 

 

初めて「青旅」を撮影した小学生の女の子は背が高くて中学生に見えたのだが、4年経ってママの背を追い越そうとしている。

 

緊張してはにかむような笑顔が変わらない。

 

 

 

おそらく彼女は今、今までの人生のうちで一番がんばっている。高校受験である。

 

昨夜は1時まで勉強していたという。それを聞いたときに「青旅」の撮影に誘って申し訳なかったなと思った。

 

僕の推測だが、志望校にまだ若干手が届かないところにいるのではなかろうか。それをなんとか挽回しようとしているように感じた。

 

 


4年前と同じように山科駅前で待合せて京阪電車に乗った。

 

紫陽花が咲いている。花の前に立ってもらっても、彼女には特段の感動も表れない。 

 

それはそうだ。15歳の彼女には紫陽花なんかよりずっと楽しいものがほかにあるのだ。

 

 

 

彼女には好きな男子がいるらしい。

 

「背が高くて、面白くて、チャラい人」という彼女の条件に当てはまるという。

 

そういうのを聞くと、あーもうそいつを撮影に呼べばよかった、と思ってしまう。「青旅」のコンセプトから外れるけど。

  

彼と二人で歩く彼女はどんな表情を見せるんだろうか。 

 

写真家としてダメだな僕は。自分の世界を写真で表現するより、彼女の世界を撮りたいと思ってしまうから。 

 

 


4年前はまだ甘えん坊だった彼女も、進路や恋愛に悩んで少しずつ自分の世界を持ち始めている。

 

これから彼女の青春時代が始まるのだ。

 

たくさん遊んでたくさん傷つけばいい。

 

分別のついた大人になるにはその方法しかないのだから。

 



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三原由宇出張写真室​ Mihara Yuu Trip Photography
 

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