奄美大島の上空には青空が広がる。
東シナ海にある熱帯低気圧の雲もどこかへ行ってしまった。
海は薄い水色から濃い青色へとグラデーションを作って目の前に広がっている。
砂浜に立つウェディングドレス姿の彼女が声を上げる。「サイコー!」
新郎はガタイがいい。
ええ体しとるねえ。「格闘技やってるんです」当然の口ぶりで彼が答える。
新婦を軽々と持ち上げる。筋肉は正義だ。
南伊の島の太陽は容赦なく砂浜を熱する。
30分くらい撮影して木陰に避難すると、新郎はインターバル中の椅子にボクシング選手のようにへたり込む。
「こんなにキツいとは思わなかった」
ふだんはエアコンの効いたジムで練習しているらしく、暑さが堪えるようだ。
体が暑さに慣れてないとみえる。
そんな体たらくでは彼女を守れないぞと思ったが、新婦は「わたしキックボクシングをやってるです!」
新郎に右ストレートを放つ写真を撮ったらば、ガードの左手がきちんと上がっていてほれぼれする。
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