風のないお寺の境内に百日紅の赤紫が鮮やかに浮かぶ。
青空が広がっていい天気だ。つまり炎天下である。
真夏に白無垢姿で結婚式の前撮りをする。暑いのわかっていても、それがどういうものかはやっていないとわからぬものである。
とりわけ花嫁さんにとっては撮影というより我慢大会のようになる。
それなのに二人はよく笑う。
暑くてしんどいと思うのだが夏らしい笑顔だ。
尾道で生まれ育った二人は、尾道のどこで撮っても風景に馴染む。
これからもこの街で仲良く手をつないで新しい家族の物語を作ってほしいと思う。
若さって夏の太陽のように眩しい。
結婚式は11月だそうで、穏やかないい季節に今日の写真を見返して暑さに耐えた撮影を思い出すのだろう。
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