車を降りた三歳の女の子は家族の誰彼なしにしがみついて泣く。
七五三の始まりからこんなんでは、パパとママはどうしていいのかわからない。
とにかく祈祷の受付に向かわんとするママを押しとどめて、抱っこしている女の子を下ろしてください。撮影はそれから。
今回は比較的時間がかからずに一緒に遊びだしてくれてほっとした。子どもが笑えば大人は安心する。
祈祷のときもなかなかたいへんだった。
拝殿の横から撮ってよいとのことだったので、近くから見ていたら、前列に座っていた彼女はいつしか後列席のおばあちゃんにしがみついている。
玉串奉奠のときもパパが彼女を抱っこしたまま神前に進む。イヤなことを拒否する姿勢が徹底している。
撮影終わってから二歳のイヤイヤ期はたいへんでしたかとパパに問うたら、彼はいやいやと首を振って「今、真っ最中ですよ」と答えた。
それはたいへんですねとしか言えない。よくがんばってますねと言ったところで報われるわけでもなかろう。
僕は撮影のときの1時間だけだが、一日中一年中彼女の相手をできるわけがない。
でも親はそうなのだ。だから、どのパパとママも子どもを育てているだけで素晴らしいと掛け値なしに思う。
そのたいへんな毎日の中のハレの七五三である。楽しかったねと親子で言い合いながら帰ってもらいたい。
それにしても今週はずっと天気がよくて本当に助かっている。神様ありがとうございます。
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