木漏れ日が揺れる地面を蟻が忙しそうに歩いている。
先日の大雨が嘘のような青空である。
小さな漁港のほとりに建つ老舗旅館の中庭の芝生がまぶしく輝いている。
結納を兼ねて前撮りをする二人は初々しい。
白無垢を着る彼女は、晴れ姿を見てもらいたくて友人たちを呼んでいる。
ブライズメイドのようにコーディネートを揃えた友人たちとはしゃぐ様子は賑やかで華やかである。
万事に控えめな彼氏とはまったく正反対の性格に思えるが、そのほうがバランスが取れていてよいのかもしれない。
ご時勢で結婚式はいつになるのかわからないそうだが、それが今日でもおかしくないような、佳き日であった。
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