
2020年10月19日
雨上がりの公園の滑り台を、七歳の男の子は勢いよく滑りきって、派手に尻餅をつく。そして「もう一回!」と言って、駆け出す。
それを見てパパとママが笑う。彼は入学式で着るような半ズボンのスーツ姿である。いわゆる「一張羅」がすでに水と泥に汚れている。弟くんはそのお下がりがもう着られないかもと言い、また笑う。
きっと今日だけの特別扱いだろうけど、彼にとってはタガが外れたようなもので、とても楽しいだろう。
そんなお兄ちゃんの様子を三歳の弟くんが憧れの眼差しで見ている。
男の子の場合、七五三は五歳だけという家族も多いけれど、生まれたばかりですぐに入院した赤ちゃんが、ちょっと成長が遅いなりにも三歳を迎えられたというのは、ことのほか嬉しいものがあろう。
お兄ちゃんはそれをわかっているのか、弟くんにはとても優しい。写真を撮りながら、二人はいい兄弟だなあと思う。
七五三おめでとう。
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