僕が撮る集合写真は、ゲストに「おめでとうございまーす!」のコールを言ってもらって締めている。
国際結婚のカップルの場合は、日本語ではなく相手国の言語でそれを言うことがある。
今までには英語、仏語、独語、中国語でそれをやり、今日はシンハラ語でやった。僕の発音がダメだったようで、その人たちはあまり反応してくれなかったけれど、いいんです。自己満足なんだから。
インド洋にうかぶスリランカという島国は、シンハラ人と少数派のタミル人という、おもに二つの民族によって構成されており、それぞれ言語も違えば信仰する宗教も違う。
シンハラ人の新郎や彼の友人ゲストを見ていると、遠慮深くて人懐こい。日本人となんとなく気質が似ている。
二人は神社で式を挙げたあと、近くの料亭で親族のみの食事会をやり、銀座に移動して友人たちとのパーティーを楽しんだ。 僕の個人的な意見だけれど、たいがいの結婚式はこのパターンでやるのがよいように思う。 ゲストハウス系の式場で時間に追われながらやる披露宴では親族は置き去りになりがちだし、友達ゲストとはできるだけ長くしゃべっていたいだろうし。 もちろんそれぞれに手配して段取りを組むのはかなり苦労するだろう。しかしそのぶん来てくれるゲストの満足度は高くなり、費用は式場でまとめててやるよりずっと安く済むと思う。たぶん。 新郎のお兄さんはなぜか僕を気に入ったらしく、パーティー会場で自分の携帯電話番号を書いたメモを僕にくれると、僕の電話番号を教えてくれと言う。まさかスリランカからかけてくるとは思えないが、番号を教えた。 あとでスリランカという国について少し調べてみたら、2500年前にはすでに王朝が存在し、古い歴史のある国であるらしい。90年代から2000年代初頭まで内戦が続いていたが、近年は治安が安定して経済的にも暮らしやすそうだ。一度住んでみたいものだな。 結婚披露パーティーが開いて外に出てみると雨である。若干お疲れの二人には申し訳なかったが、濡れながら手早く撮影して一日が結んだ。 柔らかく降る春の雨であった。
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