子どもと家族の写真(滋賀県大津市)
- 三原由宇
- 7月26日
- 読了時間: 2分

子どもが孫を連れて帰省するとなれば、親もいろいろたいへんだ。
あれこれ準備して待ち、来たら世話を焼く。
ふだんの夫婦二人だけの気楽な暮らしが、あっという間に大家族のてんやわんやになる。
それもまあ楽しみのひとつなのかもしれない。人によると思うけど。
小さな川のそばに建つ家にお邪魔すると、母上は料理の真っ最中であった。
オリーブオイルの匂いがする。ガーリックシュリンプを作っているという。
夜ごはんにはまだ早いが、すでに複数の料理ができているようだ。
今日は彼女の二人の子どもが孫を連れて夕食を共にすることになっている。
札幌から帰省してきた長男さん家族の子どもはまだ幼い。
彼女は料理の手を休めて、三歳男の子のミニカー遊びの相手をする。
僕は役に入り込んで上手だなあと撮りながら思う。
今日はあまり僕の出番がない。
日が暮れかかる頃、母上の長女さん家族がやってきた。
一気に賑やかさが増す。テーブルの上に母上お手製の料理と仕出し弁当が所狭しと並べられる。父上が一升瓶を持ち出す。
わちゃわちゃと子どもたちが座り、大人たちがグラスを回す。乾杯だ。
とある家族のとある夏の日。
小さな子どもたちはきっといつか忘れてしまうと思う。でも今日は写真で残る。
データだけでなく僕は必ずプリントした写真をどの家族にも送る。それは消えないものだから。
「ちょっとあなたも食べてって」母上が僕に言う。
ぱぱっと料理がいくつか皿に乗せられて目の前に置かれる。
断る選択肢はない。ありがたく地酒も一杯だけいただきました。













コメント