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子どもと家族の写真(広島県福山市)





本当は六人家族なのかと家の壁に飾られた写真を見て気づいた。

 

三十代と思われる父親と母親の間に立つ小学生の子どもが三人。母親の腕には幼稚園年少くらいの男の子が抱かれている。

 

撮影を依頼いただいたママは長女であるらしい。

 

次女さんと長男さんが実家に帰省している。末っ子さんはお盆でも仕事なのか。

 

 

 

リビングのピアノの脇には差し込み式の薄い写真アルバムがぎっしり箱に入っている。フィルム現像するとき同時プリントにするとサービスでついてくる薄い紙のアルバムだ。

 

そのアルバムごとにネガが挟まれていて、合理的な保存方法だなあと感心してしまう。

 

スマホの画面を延々とスクロールする必要もなく、それらを開けば昔の写真が目に飛び込んでくる。

 

「(娘に)そっくりやん!」赤ちゃんだったときのママの写真を見てパパが声を上げる。

 

写真はやはりプリントすべきだ。

 

 


子どもたちが三歳と一歳だから賑やか、といってもまだ騒々しいほどではない。

 

目の前のそうめんを突っついてはそれが楽しいらしく笑っている。

 

お墓参りをして庭に出したビニールプールで遊び花火を怖がってやらない。

 

たぶんきっとパパとママも、おじいちゃんおばあちゃんも、こんな夏の一日を過ごしたはずだ。

 

幸せなことだと思う。

 

  

 

還暦のお祝いにハッピーバースデーを歌ってもらった母上は大喜びし、バーベキューの肉を焼いてビールを飲んだ父上は「もう動きたくない」と笑ってつぶやく。

子どもたちは昼寝もしなかった。今夜はみんなよく寝るだろう。



























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