お濠沿いの遊歩道の桜はまだ蕾もさだかに見えない。
「咲いてたらいいんですけどね」とパパは言うが、咲いたら咲いたで狭い道は人で溢れるだろうから、昼間は撮影どころではなくなる。
あちらが立てばこちらが立たず。
ハーフバースデーの赤ちゃんには四歳のお姉ちゃんがいる。
彼女はすぐに馴染んで一緒に遊んでくれるが、肝心の赤ちゃんには人見知り……されなかった!
これだけで撮影は上手くいったようなものだ。あやすとよく笑う。
赤ちゃんを撮り始めると相手されなくなったお姉ちゃんが割り込んでくる。
それもまた子どもらしい。
外に出るとお姉ちゃんは一人で前に立ってぐんぐん歩く。
多少おてんばでも子どもは元気でいるのが一番だ。
2年もすれば、お姉ちゃんは弟くんをリードして手を繋いで一緒に歩くだろう。
子どものいる景色は年とともに変わってゆく。
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