クリスマスまであと四日。大晦日まであと十日。
まぎれもない年末なのにまったくそんな感じがしないのは、東京の紅葉がいまだに色鮮やかに残っているから。
暦は止まることなく過ぎゆくのに、季節が1ヶ月前で足踏みしているようだ。
昨年春に中学入学記念の写真を撮った少女は、一年半ですっかり子どもを卒業して大人の入口に立っている。
同い年の男子とはまったく比べ物にならない。赤ちゃんの成長と同じくらいの変化だ。なにより彼女自身が「変わりました」と言ってるくらい。
そんな成長期にあってもパパとは仲がよくてカメラの前でふざけ合う。
赤ちゃんのときから手塩に育ててきたパパの努力、いや愛情だろうな。
毎年一回会うだけのフォトグラファーにもごく自然に笑ってくれるのは、彼女の中で育まれた何かなのだろう。
ちなみに彼女の今一番欲しいものはお金。化粧品を買いたいそう。♪大人の階段のーぼるー、という歌を思い出した。
たまに考える。写真を撮るほど仲がいいのか、写真を撮るから仲がいいのか。
それはどっちだっていい。僕はただ目の前にいる人を撮るだけだ。
写真を撮る意味は、あとでその写真を見た人が見つけてくれる。
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