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子どもと家族の写真(埼玉県蕨市)


 

  

 

玄関のドアを開けると賑やかな話し声が奥の部屋から飛び出してくる。

 

リビングに広げられたテーブルにはご馳走が並んですでにビールが開けられている。

 

これはなんの集まりですかと尋ねたら「いちおう父の日ということで」ということらしいが、実際のところ理由はなんでもよくて、久しぶりに家族が集まって飲んで食べるだけのゆるいホームパーティーである。こういうの好きだな。

    

「三原さん、飲みます?」パパが僕にもビールを勧めてくれたが、飲みながらだとシャッター押す勘所がズレるので辞退する。飲めない人だと思われたかもしれない。いや毎日飲んでますから飲みたいんです!

 

 

 

ヤギのような白髭を蓄えた父上を真ん中に集合写真を撮ったあとは食べておしゃべり。

 

とはいえ、依頼主のパパとママには一歳の女の子がいる。

 

ママが娘を撮って欲しい雰囲気を出してくるので、その場を中座して家の外に出て、女の子の写真を撮ることにする。

 

眠いのと人見知りで泣き出す彼女をあやしつつ、笑顔の家族写真が撮れると、今日の使命は果たせたような気がしてほっとする。

 



アメリカから里帰りした母子にも久しぶりに会えた。

 

前回の撮影が6年前である。まだよちよち歩きだった二人の子どもは少年と少女になっていた。

 

夏空の山中湖で写真を撮ったのがついこの前のような、遠い昔のことのような不思議な気分であった。


 

















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