2年前、お食い初めの撮影をした家族に二人目の赤ちゃんが生まれて、ふたたび同じ写真を撮る。
違うのは、2年前の赤ちゃんが絶賛イヤイヤ期の男の子になっていることである。
予定の時刻より少し遅れてスタジオにやってきた家族は、落ち着かない。急いでいるようだ。
赤ちゃんだけのときは二人であやして楽しそうだったが、男の子がいると彼の相手もしなければならぬ。
パパとママが男の子にかかりっきりになっている間に、赤ちゃんの写真を撮る。ご機嫌で、よく笑ってくれたのでよかった。
スタジオでの撮影を終えて「急ぐよ」とママは男の子に言う。次は海べりで撮影したあとお食い初めの会食場所に行かねばならない。
今日の尾道は蒸し暑い。
風の止まった尾道水道はじわりと暑くて、パパはジャケットを脱ぐ。
歩きたい!と泣く男の子を抱えて歩くパパに、ゆっくり歩いていいですよと言うと「いや早く撮影終わりたいんで」と言うから、これはまあたくさん撮るのもはばかられる。家族写真を1カット撮ったらすぐに会食場所へ移動した。
二人目の子どもの写真が少ないというのは、こういう事情もあるのだな。
子育てが落ち着くまで、あと何年かかるだろう、そのときまできっとあっという間に日々は過ぎてゆくのだろう。
今日の写真が毎日の生活の何かに役に立つとは思えないが、お食い初めの写真を撮ったフォトグラファーは、どうか家族みんなが健やかに過ごせるように願ってやまない。
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