曇り空の日暮れは早い。
明るさを失い始めた校庭で二人の少女を撮る。
小学校入学記念で写真を撮ってから6年が過ぎた。気がついたらいつもあっという間のことだ。
小学校が違っても仲の良い二人は、顔を合わせるなり笑い転げる。
何がおもしろいのか僕にはよくわかない。ただ二人の雰囲気についてゆくのに必死だ。まあ女子ってそういうものだよね。
ランドセルと黄色い帽子がアンバランスなほどにすらりと背が伸びた彼女は、高校生にも見える。一方でもう一人の彼女はばっさり髪を切った小柄なスポーツ少女。
本人らがその違いを楽しんでいるから、もう何も言うことがない。
進む中学校が違っても、二人は友達であり続けるだろう。桜の花びら舞うなか、ブランコに二人乗りして歓声を上げる二人を撮っていたら、今日が曇り空でよかったと思う。
晴れてたら二人の姿が眩しすぎて、たぶん見ていられない。
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