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結婚式の写真|羽田別荘(広島市中区)


 


2020年10月11日


心が浮き立つような朝であった。 


結婚式の会場となる料亭にやってきた両家の家族は、口々に極上の青空が広がる今日の天気を褒め合う。

 

それだけで祝福されているような気持ちになれるのだから、ハレの日が晴れかどうかは、やっぱり大切だ。こればかりは天に祈るしかないけれど。

 

 

コロナウイルスの影響で半年遅らせた結婚式。ゲストも減らして家族と親族のみ。目立った演出は何もなし。人前式をして、乾杯のあとは食事をしながらの歓談のみ。

 

しかし、結婚式とはそういうシンプルなもので十分なのではないか。見た目の派手さ奇抜さは、結婚式の本質から離れている。  

 

 

 

家族だけの会食は終始和やかな雰囲気の中で進む。

 

青果店を営む新婦の父上は、実直な性格なのだろう。一人娘の読む手紙にこみ上げる感情を隠しきれない。小津安二郎の「晩秋」に出てくる父親役の笠智衆を見る思いがした。 

 


感情を隠せなかったのは新郎も同じだった。最後の新郎挨拶のときには、様々な思いが一気に押し寄せたのであろう。考えていたはずの言葉がまったく出て来ず、そのまま締めた。

 

 

それでいい、というか、それがよかった。

 

結婚式は言葉にならない感情が生まれる場所と時間である。式場が提供する型通りの結婚式がなんと無意味なことか。

 

二人と二人の家族にとって、本当に必要な結婚式であった。

 

結婚おめでとう。末長くお幸せに。

 

 


結婚式の朝。


所在なげな新婦の

新郎の支度。


昔ながらの結婚写真がキマりすぎ今カメラ目線しなくていい。。角隠しと、たぶん新郎のメガネのせい。

今カメラ目線しなくていいから。


人前式が始まります。

花嫁の支度の最後を整える。


娘を託す。

誓いの詞。

お互いに固めの杯を酌み交わす。








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