2020年10月6日
着物を着てそぞろ歩く若い女性グループやカップルが次々に訪れる川越氷川神社。
人気の神社であるから、秋の土日なぞはまあ、ほんとにごったがえすのであるが、今日は参拝者がやや少ないようだ。お宮参りを済ませた夫婦と、よかったですねと喜び合う。
暑くもなく寒くもない薄曇りの午後は、一ヶ月の赤ちゃんにはベストコンディションであったろう。参拝の間じゅう、赤ちゃんはぐっすり寝ていた。
絵馬にはママが「健やかに育ちますように」とだけ書く。そのほかに子どもに望むことがあろうか。
紅白の牡丹の花があしらわれた掛け着は、ママが赤ちゃんのとき、ママのお祖母様があつらえたものだそうだ。神社からご自宅に向かう車の中で母上が言う。
もしかして七五三の着物もありますかと尋ねたら、「あります」というから、3年後はママが三歳のときに着た着物が登場するのだろう。
大切に仕舞われていた晴れ着が長い時間の経過を教えてくれる。
ご自宅で赤ちゃんを寝かせて写真を撮っていたら、ぶりぶりと盛大な音をたててウンチをする。笑いながら「すみません」とママが言う。いいなあ、まったくもって素晴らしい。健康な証拠だ。
ミルクを飲んでぐっすり寝ていっぱい泣いて。赤ちゃんは大きくなるために毎日忙しい。
だからこそ年中無休のママには日曜日を作ってほしいと思う。子どもの健康はママの健康でもあるから。
健やかでいられますように、という願いは家族全員のものである。
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