家から歩いて出向いた小さな公園の桜の蕾はまだ固い。咲き始めるのは一週間後だろうか。 玄関にはカープの赤いユニフォームを着て笑う赤ちゃんの写真がいくつも飾られている。子どもが生まれたこの一年、スタジオでたくさん写真を撮ったらしい。 パパとママは一生懸命に一歳の女の子を笑わせようとするが、子どもはいつもと雰囲気が違うのを察して笑わない。 小さな子どもが自然に笑うのには、ちょっとしたコツのようなものがいる。それが上手くいかないこともあるが、あ、この子は笑ってくれそうだなというのが、撮影のとっかかりでわかる。今日は上手くいってくれてよかった。 パパとママは熱心な鯉党のようだ。開幕したら子どもを連れてカープの試合を見に行くんだろうな。スタンドでプラバットを振り回して笑う女の子の姿が目に浮かぶ。