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子どもと家族の写真(山口県萩市)


2020年3月1日



 

萩の街は春の匂いがする。

  

丸い黄色い八朔を実らせた木が街のいたるところにある。これは植えているのか生えているのか。

 

すでに落ちてしまった実も数知れず。どうぞ持って行ってくださいといわんばかり。のどかすぎる。

 

 


初節句を迎えた赤ちゃんを主役に両家で会食。

 

依頼主のママからは歓談の様子を撮ってほしいと頼まれたが、やはり赤ちゃんだけの写真は撮らねばならぬ。

 

赤ちゃんはあまりご機嫌がよくなく、座らせたとたんに泣き出したが、あやしているうちになんとか笑ってくれてほっとした。今日は運が良かった。

 

一歳の誕生日で家族が集まってお祝いする光景は、結婚式みたいで微笑ましい。 

 

これから先、子どもが増え、大きくなってゆくと、場の雰囲気も変わってゆくだろう。年を取るのは悪いことじゃない。

 



選び取りや一升餅など、一歳のイベント撮影も無事こなしてお店を出る。

 

通りに出るとそこは城下町の一角で、向かいには歴史のありそうな萩高校の校舎。今日は卒業式があったらしい。見れば学校の敷地にも八朔の木がある。生徒は誰も採って食べないんだろうか。

 

カメラを取り出し、駅に向かってゆっくり歩く。

 

萩に来たのは初めてだ。知らない風景が目の前で開かれてゆく。





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