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ポートレート(東京都港区)



桜は日本人にある種の感慨を呼び起こす花である。


こぞって桜の下 で宴会をするのもこの時期だけで、有栖川公園の狭い芝生は人で埋め尽くされている。



17歳の犬はもう桜の花を見ることはできなくなっているけど、そのかすかな匂いを感じただろうか。


飼い主の腕の中にすっぽりとおさまるくらい小さな彼女は今年も無事に春を迎えた。


今年の桜は今年だけ。毎年撮っていると、また来年も、と思う。


命あるものを撮るこの仕事ができるのはありがたい。



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